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仙腸関節,AKAを応用したJMI療法 | 東京都豊島区 - ペインクリニカルセンター

股関節痛

役に立つマメ知識
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第8回 臨床レポート

テーマ 「股関節痛」

股関節の痛みで悩んでいらっしゃる方も沢山いらっしゃいます。
殆どの方が、先天性股関節脱臼から来る痛みなのですが、事故で股関節を骨折されてから痛みで悩んでいらっしゃる方もいます。原因は異なれども、歩行に大変な支障をきたすことだけは確かです。

今回のレポートでは、4つの特徴的な症例をお知らせしたいと思います。

東京都在住 Mさん(60代) 女性

H12から2年間に渡ってお付き合いをさせていただいた、私に取りましても大変印象深く心に残る患者さんのお一人でいらっしゃいます。
Mさんは、生まれた時からの左の股関節に先天性股関節脱臼をお持ちの方でした。しかし、4年ほど前ぐらいまでは海外にまで仕事に出かけ、ゴルフも女子プロ並の腕を持って活躍されていた位の活動的な方でいらしたのです。

しかし、股関節の痛みが急激に酷くなりこの3年間ありとあらゆる民間療法を試していらしたとのことでした。
たまたま、御縁があり当院にいらしていただきました。
既に左の股関節の可動域が極端に少なくなってしまっており、股関節の球状の部分が変形して潰れてきているとのことでした。当然ながら病院での診断でもあまり痛みが酷くなるようならば、近い将来手術をしないと駄目だと言い渡されているとのことでした。

御本人もしっかりとその現実を受け止め自覚をしていらっしゃるのですが、90歳を越えた高齢の寝たきりのお母様を自宅で介護され、なおかつリウマチで体が不自由な妹さんの面倒まで同時に見ていらっしゃるという大変な御事情を抱えていらっしゃったのです。その上にお仕事でも責任あるお立場にあり、1ヶ月以上も入院して空白の時間を作ることが出来ない事情がおありになったのです。御自信でも「先生、家の家庭事情はまさに、老老介護そのものよ。泣いている暇も無いほどに、毎日がバトルなのよ。」とおっしゃるように、まさに今の日本の高齢化社会の縮図を見るような状況下におかれていらっしゃったのです。

Mさんとしては、なんとか手術までの時間を稼ぐことと、これ以上悪化させない方法を模索されて当院にたどり着かれたとのことでした。気丈に振るまわれ、しっかりとした口調でお話されるその姿から、心労と肉体疲労、介護による寝不足、それに股関節の痛みが重なり、とても普通の精神力では乗り切れない状態でなんとか必死にこらえていらっしゃる様子がひしひしと伝わってきました。

しかし、その一方で御趣味でいらっしゃるシャンソンのレッスンはその間もお続けになっていらっしゃいました。そして、「人生で最初で最後のリサイタル」と御本人がおっしゃるように、頑張って個人のリサイタルまで開かれ痛い足を引きずりながらも、溌剌とステージ狭しと躍動しながら歌われるそのお姿を拝見する事が出来たのです。決してくじけない、失望しない、あきらめない、常に前向きに楽しんで生きる、そのお姿に心から感銘を受けました。

自らの力では変えようもない宿命的な困難にぶつかった時には、自分が本当に好きな事でもっと大変な状況を作り出し、それを克服する事を自らに課す事で現実を乗り越える勇気を得る。まさに、死中に活路を求める凄まじいまでの生き様をMさんから直に教えられたのです。

常に明るく振舞い、孤軍奮闘されているお姿を拝見する度にこちらまで勇気付けられ、人生の良き先輩として色々とお話を聞かせていただいたことも私に取りましては大きな糧になりました。治療をしながら、「Mさん、患者さんの中にはこんなことで苦しんでいる方もいるんですよ。」とお話をしますと、「私を御覧なさいよ。こんなにっちもさっちもいかない状況にあっても頑張って生きてるじゃないですか。ちょっとやそっとつらい事に出会ったぐらいでめそめそするんじゃないって、言ってやってくださいよ。私の所に連れて来てくれればしっかりとお話してあげますよ。」とおっしゃっていたのを今でもよく思い出します。

幸いにも、JMIと電気治療への反応は大変よく1週間は何とかもつという状態が続いていました。股関節の可動域も少しずつ広がり階段の上り下りも少しずつですが楽になられました。半年に1回の定期健診でも、股関節の状態は以前の状態から進行していないとの検査結果が続き私も一安心でした。やっと、御家庭の事情がつきH14の秋に思い切って手術をなさったのです。今現在は、術後の経過も安定されており、杖をつきながらお仕事にも励んでいらっしゃいます。手術までの間、今よりも悪化しないような方策としてJMIを施させていただきましたが、私の事を信じてついて来て下さり、Mさんと一緒にこの大事を無事乗り切ることが出来本当に嬉しく思っています。Mさんのこれからの人生が幸多からん事を心から願わずには入られないのです。

埼玉県在住 Tさん(50代) 女性

Tさんは、生まれつきの先天性股関節脱臼の方です。
しかし、40代前半までは全く意識した事も無くずっとママさんバレーの選手として大活躍されていた主婦の方でした。足を180度開脚することも出来るぐらいに股関節に不安を感じたことなど一切なかったのです。
ところが、40代に入った頃から急に左の股関節が痛みだしバレーボールが出来なくなってしまったとのことです。整形外科で診ていただいた結果も、今急いで手術する程ではないというばかりで湿布薬と飲み薬をくれるだけという状態が続き現在に至るというお話でした。
たまたま、御主人様の同僚の方のご紹介で「ひょっとして、痛みが和らげば。」位の軽い気持ちでいらしていただいたのです。確かに、実際に治療してみますと左の股関節の可動域が特に外に向けて足を開いたときに制限がありよく開かない状態でした。

過去の経緯を色々とお聞きしましたところ、やはり骨盤の仙腸関節の可動性に一番大きな問題がありそうだという感じがいたしました。
そこで、取りあえず仙腸関節のJMIを施して直ぐに立っていただき、股関節の感触を確かめていただきました。
そうしましたところ、「あらっ。座った状態から立ち上がるのがとてもつらかったんですが凄く楽です。歩くのもスムーズになりましたし痛みも殆ど感じ無くなりました。」と驚きの声を上げられたのです。心配して付き添っていらした御主人様も極めて短時間の間の出来事にビックリして眼を丸くされておられました。その後、股関節や膝、足首など関連する場所にJMIを全て施し、電気治療もあわせておこないました。いらした時とは比べようも無いぐらいに楽になられ御本人もかなり驚かれたようです。
その後、2回目にいらしていただいた時も「あれから、2週間経ちましたが本当に調子が良くて、この間バレーボールの審判を頼まれたので2時間程コートを走り回ったんです。(私は、内心「え~、そんな事やっちゃったんですか!」とビックリ仰天していたのですが・・・・笑)でも、ちょっと痛みが出た程度で直ぐに消えてしまいました。本当に不思議でビックリしています。」と喜々として話されたのです。お話を聞いて、別の意味で私もビックリしてしまいましたが、調子がそれだけ良くなったという証拠でもあろうと思ったのです。

今も、好調さをキープされていましてH15・8月の初来院以来、大きな痛みが出るような症状は全く無く、今以上に症状を悪化させないように予防の為に治療にいらしていただいています。つい先日は久しぶりに自動車で長時間移動するような旅行にも行かれたそうですが、それでも問題は無く、以前ならばとても考えられないことだとおっしゃっていました。初期症状であれば、JMIは予防の為にも大きな威力を発揮出来る素晴らしい治療法だと改めて自信を深めた次第です。

埼玉県在住 Sさん(50代) 女性

Sさんは、左股関節の先天性股関節脱臼があり長年に渡り痛みと不自然な歩き方による腰痛に悩まされていらっしゃいました。

御主人様がたまたま紹介でいらしていただき、腰痛 が早期に治られた為、ひょっとしたらという思いからいらしていただくようになりました。実際に治療をしてみますと、かなり変形が進んでおりこれでは日常生活に随分と御苦労をされているだろうなということは容易に理解できました。
しかし、初回時からのJMIへの反応は良好で治療をすればするほどに、足の動きも楽になり見た目の可動域の改善具合以上に、御本人は「痛みが無くなり、楽になっていくのが実感出来るんですよ。」と喜んでいらっしゃいました。今は、お時間の出来た時に時々いらっしゃる程度ですが、治療を受ける前とは違って痛みは全くでなくなり、歩行のスピードも上がり生活がとてもしやすくなったとおっしゃっていただいてます。

膝のテーマでお話をさせていただく時にまたお話をしますが、Sさんにご親戚の方を御紹介いただきました。膝の痛みでかなり悩んでいらしたのですが、すっかり楽になられたというお話をSさんから後日うかがいました。
当院には、お一人の患者さんを通じてご家族中でとかご親戚中でお付き合いさせていただいている方が何人もいらっしゃいます。
Sさんもその内のお一人でいらっしゃるのですが、先日帰り際に「先生は、私の家族や親戚の者まで皆を幸せにしてくれたんだよね。本当に感謝しています。」と少し秋田弁交じりの親しみのこもった言葉で改めて御礼の言葉をかけていただいたのです。患者さんからこうした感謝の言葉をいただくときが本当に嬉しい瞬間です。そして、治療の仕事に携わってきて本当に良かったなと思える瞬間でもあります。

最後に、ご紹介する症例はおそらく治療者が生涯でお目にかかる事など一度も無く終わってしまうことが殆どでは、と思えるようなかなり特殊な症例をお話したいと思います。私も、治療を通じて大変勉強になった症例でもありました。

埼玉県在住 Mさん(20代) 男性

Mさんは、通学途中にたまたま都電の中で当院のポスターをご覧になって納得できるものがありいらしていただいた患者さんでした。まさに、都電沿線にありますW大学の学生さんだったのです。来年には就職という事で就職活動をして行く上でも、この足の状態の異常を問題視されて希望通りの就職先に就けなかったら困るという思いもおありのようでした。なんとか動きの悪い左足がうまく動くようにならないものかという思いでいらしていただきました。

院内に入っていらした時にはっきりと判る不自然な足の運び方に、かなり左の股関節周囲に問題があるのではと感じたのです。お話をうかがってみますと先天性の股関節脱臼でもなく、痛みを感じているわけでもないとのことなのです。なぜか、子供の頃から走る事が出来なかったとおっしゃるのです。かけっこをすると女の子にも簡単に抜かれてしまうほどに、左足の運びが悪く「自分は、走れない体でありこういうものなんだ。」と幼心に変に悟ってしまっていたとおっしゃるのです。病院に行っても「別に問題ない。」と言われてしまうしどうしたら良いのか親子共々ずっと悩んできたと言うことなのです。

私も、始めて接する症例に「とにかく、AKAの治療をやってみてどう体が変化するかを見て見るしかないです。股関節に問題が無いと言うならば、一番考えられるのは仙腸関節の異常ですから、とにかくやってみましょう。悲観するのはまだ早いですよ。現時点ならば、Mさんにはまだ大きなアドバンテージがあるんですよ。」と申し上げました。そうしましたら「先生、それは何ですか?」とおっしゃるので「それは、若さです。」と申し上げました。

当院にいらっしゃる患者さんを診ていて一番感じるのは「若いという事は、本当に素晴らしい。」と言う事なのです。どんなに痛めてきても、おかしくしてきても心因性のもので無い限りは、10代、20代の方であれば殆どが一度の治療でポンと治ってしまうケースが実に多いのです。Mさんは、まだ20代前半の若い体をもっていらっしゃいます。関節も筋肉もまだ若さを保っている状態です。私は、そこに賭けてみたかったのです。

治療を始めてみますと、予想を遥かに超える仙腸関節の固さがありました。おそらく、かなり幼い頃ひょとすると出産時にでも仙腸関節に何らかのトラブルがあってそのまま骨盤が構成されてしまい、今に到っているのかなと想像したくなる位の固さでした。初回時の治療結果は「少し、左足が前に出やすくなったかな?」程度のものでした。とにかく、2週間に1回3ヶ月を目処にいらしていただくように申し上げました。

Mさんは、大変前向きで真面目な方でいらしてきちんと通っていらっしゃいました。私も、手を替え品を替え自らの治療技術の引き出しから全てを引っ張り出す勢いで、考えられる事を全てやってみました。電気をかけるパターンも十数種類に上りました。2ヶ月目に入り4回目の治療をしている時でした。今まであんなに固かった左の仙腸関節が「ゴクッ!」という感じではっきりと動いたのです。(長期に渡り仙腸関節の動きが止まっていた方や、高齢者の方には時々見受けられる現象です。)まさに、「岩が動いた。」とでも言いましょうかそんな表現がピッタリの感覚があったのです。私もその瞬間「これですよ。Mさん。間違いなくこの感触ですよ。これを待っていたんです。直ぐに立って歩いてみてください。」とMさんに話しかける声が、思わず上ずってしまいました。そして、Mさんが立ち上がり左足を一歩前に出した時です。「あっ、軽い。普通に歩けます。そうなんだ。歩くってこういうことだったんですね。」とMさんが声を上げました。私もなんだか人類が始めて二足歩行を始めた歴史的な瞬間に立ち合った様な言い知れぬ感激が全身にこみ上げてきたのです。

「先生、左足にこんなにしっかりと体重が掛かって、左足がこんなにしっかりと地面を踏みしめていると言う感触を感じたのは生まれて始めてです。なんだか、走れそうな感じもして来ました。嬉しいな~~。」と大喜びをされたのです。そして、何度も何度も院内の端から端までを行ったり来たりされたのです。その様子を見ていて思わず私も胸が熱くなりました。始めての症例であり、何とかしてあげたいと言う思いをこの1ヶ月間ずっと持ち続けていたこともありますが、無邪気に喜ぶMさんの姿を拝見していますと、その姿が実に神々しく見えたのです。こういう瞬間なのです。「JMIで、楽になって頂けて良かった。」と思えるのは。

その後、2回ほどいらしていただきましたがだんだん歩き方が堂に入るようになられ、20歳を超えて始めて「歩く」という実感を得、歩くことに始めて喜びを見出されたのです。まだ体のバランスを取るのに少し不慣れで不安はあるもののゆっくりであれば駆け足が出来るようにまでなられました。「これで、就職活動にも不安が無くなりました。本当にありがとうございました。」と満面の笑みでおっしゃるMさんの笑顔が今でも忘れられません。

このMさんの症例は、仙腸関節の機能異常が、股関節の形状に問題が無くても、その機能を奪うことがあると言う実に貴重な症例になったと思うのです。

今回ご紹介しました、4例以外にも股関節の痛みでお悩みの患者さんは、当院にも沢山いらっしゃいます。こうした患者さん達を拝見するにつけ、AKAが予防医学として、学校教育の現場で健康診断の時に全ての子供達に幼少の頃から施せるようになれたらなとよく思う事があります。そうすれば、例え先天性の異常を持つ人に対しても病状の進行を遅らせることも出来ますし、大人になって腰痛 や肩こりで悩む人が激減するのではないかとも思うのです。それにより、ひょっとするとGDPが1%以上上がるかもしれません。「予防医学の重要性」が叫ばれ始めて久しいのですが、今の医療制度の中では、ビジネスとして成り立たないという事が一番のネックとなり掛け声倒れになってしまっているのが本当に残念でならないのです。

「病気になったら」ではなく、「病気にならないようにするにはどうしたら良いか。」という事をもっと真剣に考えなくてはいけないのではないでしょうか。それにより、病院が減り、医療従事者がどんどん削減されるようになるならば実に自然な流れであり自然淘汰されて然るべきものがそうなったと考えれば、何の不思議も無い話だと思うのです。当たり前の事が、当たり前として通用しない世の中はやはりどこか、狂っているとしか思えないのです。

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