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仙腸関節,AKAを応用したJMI療法 | 東京都豊島区 - ペインクリニカルセンター

顎関節症

役に立つマメ知識
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第19回 臨床レポート

テーマ 「顎関節症」

近年、顎関節症の方が大変増加して来ており社会問題化しつつある状況にあると聞きます。その原因としては、歯の噛み合わせの問題や顎関節そのものの異常、精神的な問題など様々な原因が上げられています。しかし、本当の原因はまだ良く分からない事が多く治療に当る方達の間でも未だに試行錯誤が繰り返されているというのが現状のようです。一方で、新しい試みをなさっている歯科医師の方達の間では顎関節や噛み合わせの問題だけではなく体全体の関節のあり方、特に「仙腸関節」の異常との関連性に目を向け治療に取り組んでいらっしゃる方達もいるようです。私もこの現象は大変喜ばしく思っているところでもあるのです。

その一方で、ちまたにあふれる民間療法の中には「顎関節症を治す」「小顔にする」と称して顎関節周囲を闇雲にいじりまわすような治療の真似事が堂々とおこなわれるようになってきました。そういった治療で、壊されてしまって大変な目に合っている患者さんがいるという話を最近よく耳にするようになって来たのです。当院の患者さんの中には、歯科医師の方もいらっしゃるのですが、「あれは、本当に危険ですよ。我々も随分事故が起きていると言う話をよく耳にしますからね。」と口を揃えておっしゃいます。「そんな所に行くほうが悪い。」と、全てを患者さんの自己責任に押し付けてしまうにはあまりにも気の毒な話なのです。

私の友人に、アメリカでカイロドクターとして本物のカイロプラクティックの治療を行っている方がいらっしゃいます。その方に、日本では今「小顔ブーム」になっていて、顎関節や頭蓋骨を素人が民間療法やエステなどで勝手にいじりまわすようになってきてしまったとメールで話した事がございます。その話を聞いて彼女は、「オステオパシーやカイロプラクティックに対する誤った認識を与えるものであり、許し難い行為ですね。騙されている方達が本当に気の毒です。」と激しく憤っていました。大人として完成された骨格に対して外からちょっとばかり力を加えた程度のことで、顔の形が大きく変わるはずがない事など常識で考えれば誰でも理解出来る話です。おそらく、カイロやオステオパシーの理論を勝手に都合よく解釈し、ひねりだした一般消費者のお手軽意識を刺激するアイデアであろうことは簡単に想像のつくところです。しかし、本来のカイロやオステオパシーの目的や精神を踏みにじるような行為であることは言うまでもないのです。

また、最近ではエステなどで医師でもない者が、口の中に指を突っ込んで頭蓋骨を整骨するなどという、完全に医師法違反行為と言えるような愚かしい行為をおこなっている者まで出て来てしまっているのです。そう言ったものが、女性誌やネット上などで堂々と紹介されているのですからこの国はいったいどこまでモラルが低下してしまっているのかと底知れぬ恐ろしさを感じるのです。商売だけが先行してしまい、お客さんへの健康被害の可能性については最初から何も考えていないのです。そこには、商売になるならば法律を無視しようが医学理論を勝手に捻じ曲げようが、マッサージの資格や医師免許など無かろうが、社会問題化して大騒ぎになるまでやった者勝ちだという様な姿勢が見てとれるのです。しかし、そういった事をおこなっている世界が今や一番の成長産業であり「勝ち組み」だとして賞賛されていると言うのですからこの国は一体全体どうなってしまったのでしょうか。お手軽に綺麗になれたり、健康になれたりするような方法などいつの世にも存在などしないのです。その様な方法がさもあるかのように、声高に謳う者ほど信用の出来ない者はありません。

小顔ブームに関して、つい先日生生しいまでの話を患者さんから聞きましたので、警告の意味も込めてお話をさせていただきます。お話下さった患者さんは、話を聞きに行っただけで治療は受けていないそうですが、彼女の話だけからもその実態のすさまじさを垣間見ることが出来たのです。マスコミなどにも良く出ている治療師の方で有名な治療院だそうです。彼女が顔の整骨の治療の値段を聞いた時にとんでもない答えが返って来たと言うのです。「40分=150万円です。」といきなり言われたと言うのです。私はそれを聞いて一瞬目が点になってしまいました。そこで、「40回の間違いじゃないの?それでも凄い値段だけれども。」と聞き返したのです。しかし、「いいえ、はっきりと40分=150万円って言ってましたよ。そんな高価な治療を受ける人がいるんですか?と聞いたんですが、「ハイ、いらっしゃいますよ。」とこともなげに言ってました。顔全体をやった時の値段だそうで、部分的にやればもう少し安くなるみたいですけど。人によっては、1センチ以上も顔の輪郭が小さくなるって言ってましたけど、あまりにも嘘臭い話なので直ぐに帰って来ましたけど。」とおっしゃるのです。この話が本当の話であるならば、あまりにも常軌を逸した話であり、社会問題化しない方が不思議なぐらいなのです。美容産業と言う世界は、想像以上に凄まじく煩悩が渦巻く世界だと言うことだけは良く理解出来たのです。

こうした事態を何とか出来ないものかと思うのですが、我々の立場からは、全く手の打ちようが無いのが現状なのです。マスコミの方々に「そういった治療方法がまっとうな物であるかのように錯覚させるような報道は絶対にしない。」という姿勢を徹底していただくようお願いするしか手立てがないというのが現実なのです。

私も、顎関節症の方を今までにも何人も治療をさせていただいて来ていますが、今までの経験上からの私見では、仙腸関節の機能異常、頚椎の機能異常と精神的な問題、自律神経の異常等が合併している方が圧倒的に多いように思えてならないのです。精神的なストレスの積み重ねから結果として、寝ている間の歯ぎしりが酷くなり、起きている時でも無意識に歯を食いしばってしまっている。元々、腰痛もある上に必要以上に噛み締める事で頚椎の機能異常までも引き起こしてしまっているといったような複合的な要素から起きて来ているものの様に思えてならないのです。物理的な要因、精神的な要因、内科的な要因を合わせて考え総合的な治療体制を取り、治療者は患者さんの心身に渡る細かな様子の変化を常に注意深く観察する必要があるように思うのです。

顎関節症に限らず体の異常を知らさせるサインは、末端に一番出やすくまた異常な症状が様々に形を変えながら現れると、つい目の前でめまぐるしく変化する現象面にどうしても目を奪われそれだけを追いかけがちになります。顎関節症の場合ですと、顎の周囲にでる様々な変化や異常面にだけとらわれ過ぎていると本質を見落とす事にもなるのではないかと思えてならないのです。

東京都在住 Tさん(20代) 男性

Tさんは、私と同じ病院にかつて勤務し共にを学んだ方から御紹介を受けた患者さんでした。いらした当初は、「頚の左側が痛くてたまらないんです。」と言う訴えでいらっしゃいました。
診させていただきますと、確かに頚椎の機能異常も起きていましたが仙腸関節の機能異常もかなり酷く起こしているような状態でした。
まずは、仙腸関節の機能異常を取り除きその後頚椎の機能異常を慎重に取りのぞきました。また、肋椎関節の機能異常もあちこちに起こしていらっしゃるような状態でしたのでほぼ上半身の主要な部分を治療する事になりました。

お仕事が看護士さんと言うことで、毎日患者さんのお世話をされている内に腰を痛め、肩を痛めと言ったように体中あちこちに痛みが出だし、最後は頚に来てしまって今現在どうしようもなくなってしまったとの事。私の知り合いの方から、プライベートで時々AKAの治療を受けていらしたようでしたが定期的に受ける事が出来ない為、一進一退を繰り返しているとのことでした。

1度目のJMIの治療で、かなり手ごたえを感じ御本人にも大変喜んでいただいたのです。2週おきに定期的にいらっしゃるようになって4回目の時でした。いらっしゃるなり「センヘイ、ケハカラキュウニ,クヒガアカナクナッテヒマッタンデフ。ヒタクテタマラナインデフヨ。」と実に喋りにくそうにおっしゃるではありませんか。このところ、職場でのストレスがかなり溜まっていらしたようで睡眠もあまり取れない日々が続いていらしたようなのです。今朝起きたら突然、口が開かなくなり真っ青になってしまったとおっしゃるのです。

「今日が治療の日で良かったですね。」と言いながら、いつものように一連のJMIの治療を全身に施していきました。一番、問題を起こしている箇所の頚椎の治療に取り掛かりました。その時Tさんが、「ホンホーニ、アハカラマイリマヒタ・・・・クヒガアハナイノハクライデフネ。」と私に話かけて来ましたので「Tさん、おしゃべりはちょっとやめてくださいね。」と申し上げて、次の瞬間に頚椎の治療をおこないました。「あれ。あれ。口が開きます。痛くないです。あれ~~~。先生、凄いですね。え~~。」と突然元に戻りビックリされたのです。

「今朝の今日の治療で良かったですね。時間が経てば経つほど回復が遅くなりますから本当に良かったですよ。」と申し上げますと「先生、JMIを知っていて、また実際に治療を受けていて良かったです。今朝からどうなることかと思い、精神的にもかなり落ち込んでましたから。ありがとうございました。」と本当に喜んでいただいたのです。お仕事が看護士さんで病院勤務の方ですので、お時間のある時に直ぐ心療内科と歯科を受診してお医者さんの判断を仰ぐようにアドバイスをさせていただきました。

Tさんからその後色々とお話をうかがいますと、職場でのいさかいやハードな勤務体制で体力的にも精神的にもかなりまいってしまているというお話をされていたのです。明らかに、精神的な問題が根底にありTさんの場合はたまたま顎関節に異常が出たのであろうなと言う事が推察出来たのです。就寝中にも歯ぎしりをなさる事がよくあるのではないかと思った次第です。最近はかなり良くなられまして、時々疲労回復の為に来院されるような状態が続いているところです。

東京都在住 Hさん(30代) 男性

Hさんは、開院以来良くいらしていただいている患者さんです。
最初は、剣道で痛めた腰の状態がおもわしくなく散々整形外科巡りをしたあげくに当院にたどりついて下さったようなのです。整形外科ではどこへ行っても散々検査をされ、そのあげく湿布、薬、注射で終わりというお決まりのパターンに良い加減腹に据えかねるものがあったと憤慨されていました。
しかし、幸いな事に当院と御縁があり、初回の治療で周囲が驚くほどの劇的な回復をされ、すっかりJMIの治療効果に魅せられてしまわれたのです。有り難い事に、それ以来何人も知り合いの困っている方を御紹介していただいているのです。

2年ほど前から、お仕事が忙しくなりかなり疲れたとおっしゃっていたのですが腸の調子がおかしくなり内科を受診したところ過敏性の大腸炎の可能性があると言われ内科の治療を始められたのです。そのかいもあってこのところ腸の調子は大変良くなり喜んでいらしたのです。しかし、最近いらっしゃると、軽い浮遊性のめまいがしたりするとおっしゃていて「これは、かなり自律神経がまいっていらっしゃるな。」と私も心配になり近くの心療内科を受診していただいた事があるのです。しかし、そこでいただいた薬が体に合わなくて吐いてしまうとのことでなんとか気力で持ちこたえていらっしゃるような状態がずっと続いていました。

そんなある日、お電話で「先生、このところ顎が痛くてだんだん口が開かなくなってきてしまったんです。今日、うかがっても良いですか?」とお電話をいただいたのです。これはただ事ではないなと思い私も緊張感に包まれながら、Hさんがいらっしゃるのをお待ちしていました。久しぶりにお会いしますと、かなり顎の辺りを気にしながら実に困った様子でいらして、見ていても痛々しいような状態でいらしたのです。

早速に治療にとりかかったのは言うまでもありませんが、仙腸関節から背中、肩、頚にかけて凄い緊張感があるのが分かりました。「夜は、良くお休みになっていますか?」と問いかけますと「眠りが浅くて、慢性的な睡眠不足が続いています。」とおっしゃるのです。頭が疲れすぎている事は容易に想像が出来たのです。頚椎の治療に取り掛かりますと、いつもに無い頚椎の周囲の固さにビックリしてしまったのです。いつもよりも慎重に頚椎にAKAの治療を施しました。「これだな。」と言う手ごたえを感じた次の瞬間です。「あっ。口が普通に開きます。顎からゴリゴリと言う音が消えました。いやあ~~良かった。」とHさんも安堵されたのです。

「おそらく、コンマ何ミリという単位の機能異常ですが、それが取れた瞬間に全てが変わったのが分かりましたか?」とお尋ねしますと、「いやあ~凄いもんですね。仙腸関節の場合は何をされているのかさっぱり判りませんが、頚椎ははっきりと自覚出来ますね。これが、JMIの凄さなんですね。と、5年も経ってから今頃感激していては先生に怒られるかも知れませんが。ハハハハハ」と心から喜んでいただけたのです。その後は、とにかく一番疲れている頭を休めていただく為に、マイナスイオンの電機治療をパターンを変えながら全身に施しました。Hさんも、イビキをかきながら30分程熟睡をされていました。

治療の後にお話をうかがいますと、「仕事が特に忙しいという分けではないんですが、何か常にプレッシャーを感じているような状態が続いているんです。知らず知らずのうちに、歯を噛みしめてしまっていて気づくと顎の周囲が異常に疲れている事がよくあったんです。」とおっしゃるのです。「心療内科の薬が合う合わないは別として、再度時間を作ってカウンセリングを受けてみられてはいかがですか。また、歯医者さんも一度受診されて噛み合わせを一度チェックされることも必要だと思いますよ。」とアドバイスをさせていただきました。たまたま、Hさんとは御縁があったので、物理的な面での体の異常を早期に改善する事は出来ました。しかし、一番の原因はやはりHさんの心理的な面にありそうですので今後心療内科で適切な治療を受けられて自らを取り巻く周囲の環境とうまく折り合いをつけながら生活していく方法を見つけられる事を祈らずにはいられないのです。

東京都在住 Yさん(40代) 男性

Yさんは、当初から顎関節の異常を訴えて来院された方でした。病院を受診しようと言う程悩んでいるわけでもなく、何か良い方法がないものかと探しているうちに、顎関節以外にも、常に頚や肩の凝りを感じているので何か関連性があるのではと思い当院を探し当てていらしたとのことです。コンピューターのシステム開発のお仕事をなさっているとのことで、毎日長時間PCの前に座った状態でお仕事をなさっているようなのです。時間との戦いの中で仕事をなさっているので、イライラする事も多くかなり精神的にもストレスが溜まっているのを御自身でも実感されているとおっしゃっていました。

治療にとりかかってみますと、やはり仙腸関節から背中、頚にかけての広い範囲で関節の機能異常を起こしている状態でした。JMIの一連の全ての操作を終わった後に顎関節の状態をお聞きしたのですが、「そうですね。少し良くなりましたかね。う~ん。」というお返事だったのです。マイナスイオンの電気をおかけし、軽く全身に指圧を施し再度お尋ねしますと、「はい。確かに来た時よりは全身が軽くなりました。顎の状態も先程よりもはっきりと楽になったということが認識出来るようになりましたね。ウンウン。」と御自身の体の変化を細かく確認しながら感想をおっしゃっていただいたのです。

しかし、顎関節の状態は初回の治療時点ではそんなに劇的な変化をするほどまで改善はされなかったのです。その後、2週間おきに4~5回いらしていただきましたが、Yさんがおっしゃるには「間違いなく、来る度に良くなっているという実感がありますね。これは、大変嬉しい事です。自分でも自覚出来るようになって来たのですが、やはり仕事が忙しかったりして精神的にまいるような状態が続きますと顎関節の痛みが強くなるようです。当初、先生がおっしゃっていた精神的なものとの絡みのお話が良く理解出来るようになりましたね。」と実体験に基づく冷静な分析をおこなった上での貴重なお話を聞かせていただけたのです。

それからも、Yさんはお時間が取れますとお仕事の合間をぬって足しげく治療にいらしていただくようになりました。当初いらして頂いた頃のような顎関節の強い痛みは全く出なくなり、いらっしゃる度に体の色々なところの動きが良くなっていくのを実感出来るようになってきたと喜んで頂いているのです。Yさんは、コンピューターのソフト開発をされるお仕事をされている方らしく、実に詳細に自らの体の変化を論理的に分析され、受けた治療と自らの体の細かな変化の関連性を冷静に見つめておられるお姿にはいつも感心させられるのです。Yさんのような患者さんにかかりますと、結果の出ない いい加減な治療や話ばかり立派で中味の無い治療をしている者は瞬時に見抜かれてしまうのではないかなと思えてなりません。治療者に取りましては、大変恐ろしくもあり、実に有り難い患者さんでもあるのです。

今回は、たまたま男性の患者さんばかりの例を取り上げてしまいましたが、女性の患者さんも実は男性以上に沢山いらっしゃるのです。自律神経の乱れを明らかに感じさせる方に顎関節症が合併しているケースが大変多いように思います。しかし、中には腰や肩の治療にいらしてお話をうかがっている内に「そう言えば、顎から変な音が出るようになったんですよね。」とおっしゃていた方が知らない間に治っていたと言うケースもよくあるのです。まるで、外反母趾が知らない間に治っていくのと同じような経過を歩むことがあるのです。私も実感として、物理的な側面からはやはり仙腸関節と頚椎の機能異常が最大の要因だと感じているところなのです。まずは、物理的な異常を解決し同時に歯の噛み合せを調整し、心理的な側面からの治療もおこなうというのが現時点では、顎関節症に対する最適な対処法ではないかと思うのです。まだまだ、判らない事が沢山ある病気ですのでこれからも臨床を通じて研鑽を積んで参りたいと思っています。

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