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第5回 臨床レポート

テーマ 「肩こり・心因性」

前回に引き続き「肩こり」をテーマにお伝えしたいと思います。
しかし、前回と違いますのは同じ肩こりでも心の問題が絡んできた時の難しい症状についてです。
実は、当院にいらっしゃる患者さんの7割以上が女性の患者さんです。
そしてその中の5割近くが心因性が絡んでいると思われる症状の患者さんなのです。
当初は、当院だけの特徴なのかと思っていましたが、H14に厚生労働省から発表された調査結果を見て統計結果と極めて近い現象であることを再認識いたしました。
調査結果の内容は、全国の中小企業(日本の企業の98%は、中小企業です。)で働く女性の約6割がうつ症状で悩んでいる。という衝撃的なものでした。これは大変な問題になってきているなと思いました。
男性社会の中で、感情を押さえながら、自らを殺しながら必死に耐え続けて働くことがどれだけ現代女性達の心を蝕んでいるのかを如実に伝えるレポート結果だったのです。
まだ心の問題が初期症状の時は、腰痛や肩こりなどの体の痛みとしてサインが出てきます。その段階で、適切なアドバイスや治療が施されていたならばどれだけの女性達が救われることでしょうか。
今回お話をします例は、心因性の問題を抱えるOLの方で実にうまくいった例をお話したいと思います。

千葉県在住 Yさん(30代) 女性

Yさんと始めてお会いしたのは、H13年末の事でした。
当院のHPをご覧になっていただき、共感出来るものを感じていただきいらしていただきました。以前に、整形外科でAKAを一度体験されている数少ない患者さんでもありました。
初対面では、大変もの静かな中にも、とても芯の強いものをお持ちでいらして我慢強い方だなと感じました。お仕事に対してもとても前向きでいらして、とにかく一生懸命で生真面目な方だという事がお話をしていても伝わってきました。
実際に治療を始めて見ますと、御自身で訴えていらっしゃるように首から腰にかけてまるで板のようになってしまっており、只単にこっているとか血行が悪いと言う段階を超えているということが直ぐにわかりました。
AKAの治療、電気治療、指圧とどれを施しても反応が悪く、少し楽になったかな程度しか御本人も感じていらっしゃらない様子でした。
今までの私の経験から言いましても、これは明らかな自律神経の乱れを持った方の特徴的な体の状態だなと直感いたしました。
治療をしながら、色々とお話をうかがったところやはり夜はよく眠れないし、ちょっとした音にやたら敏感に反応する様になっており、常に神経が緊張状態にあることがわかりました。おそらく、一晩寝ても疲れが取れず疲労をひきずったままの生活が長年に渡り続いているのではと容易に想像が出来たのです。
初回の治療後、「Yさん。今一番疲れているのは、肩でも首でもありませんよ。頭と心が一番疲れてます。私も出来るだけの努力をしますので、暫く頑張ってついて来てくれますか?」と申し上げました。そうしましたところ、「ハイ、何とかしたいと自分でも思っていますので、頑張ってみます。」とおっしゃってくださいました。その時、私の心の中では「場合によっては、心療内科を早急に受診していただいた方がいいかもしれないな。」という思いも同時にありました。
痛みの症状が和らいだり、また強くなったりと、紆余曲折ありましたが、3ヵ月後から回復の兆しが徐々に見え初め半年後にはほぼ全快をされました。心療内科への受診も行うことなくなんとか回復されたのです。
当初は、痛みを我慢できずに週に3回も治療にいらっしゃる事もありましたし、治療後に長時間お話をする事もありました。しかし、治療と治療とのタームもだんだん長くなるようになり、最後は1ヶ月に一度程度の治療でも痛みがあまり出無くなり、疲労からの回復も早くなるようになられたのです。
そして、とても印象的だったのがかなり症状が落ち着きだしてからのある日治療の後お茶を飲みながらいつものようにお話をしていた時です。「先の見えないある事に悩んで来ましたが、やっとけりをつけることが出来ました。」と唐突にポツンとおっしゃったのです。今まで心の中で引っかかっていた悩み事をご自身の力でけりをつけられた事を吐露されたのです。
「そうでしたか。良かったですね。つらかったんでしょうね。」と思わず私も声が上ずりがちになってしまいました。そして、目頭がジ~ンと熱くなりました。
その日を境に、髪型もお化粧も、ファッションもすっかり一新され見違えるようになられたのです。今までのお話から、「プライベートで随分と悩んでいらっしゃるな。
おそらくそれが一番の心の疲労の原因だろうな。」と感じてはおりました。婉曲的ながらも私が申し上げたアドバイスもお役に立てていただけたのか全てが落ち着く所に落ち着き御自身の心の中での再出発が出来たご様子でした。そして、人間的にも一段と大きく成長されたのです。
Yさんは、私の今までの治療生活の中でも、強く印象に残る患者さんのお一人になりました。
今でも治療以外に私が時々企画しています患者さん達とのプライベートな集まりの場面でもご一緒していただく機会もあり、有意義な一時を過ごさせていただいています。ご縁とは、本当に素晴らしくそして尊いものだと思わずにはいられません。今でもYさんと、引き合わせていただいた神様に心から感謝申し上げたい気持ちで一杯なのです。
全ての心因性の体の痛みで悩む患者さんと、こうした素晴らしい関係が常に結ばれるわけではありませんが、一人でも多くの方達とご縁をいただきお力になれる機会があることを願ってやまないのです。
Yさんには、私も本当に色々と学ばせていただくことが沢山あり回復まで一緒に歩ませていただいた道のりは、大切な宝物として今でも私の心の中に刻み込まれています。
Yさんには、もっともっと幸せになっていただき人生を謳歌して頂きたいと願わずにはいられないのです。

  腰痛と肩こり、腱鞘炎、顎関節症、膝の痛み、外反母趾などは、同じ根本原因から派生して来たものです。
肩こりが酷い方の場合、今現在腰痛を感じていなくても腰痛の治療と合わせて治療しますと、肩こりが劇的に改善する事が頻繁に起こります。

実は、腰痛と同時に起きていた異変なのですが、一番痛い場所の痛みだけを意図的に体に知らせる脳の仕組みが働き分からなくなっている事が良くあるのです。
肩こりも、決して肩こりだけ起きていることはまずありません。必ず、骨盤の仙腸関節の異常が絡んでいます。ましてや、ただ単に筋肉が凝っているなどと言う表面的な話ではないのです。
肩こりも放置しておけば偏頭痛や顎関節症、視力の低下を悪化させてしまう要因にもなります。
全ては関連し繋がっている話だと言う事を理解して頂けると嬉しく思います。



腱鞘炎
https://www.painclinical.com/symptoms/196

顎関節症
https://www.painclinical.com/symptoms/219

膝の痛み
https://www.painclinical.com/symptoms/198

外反母趾
https://www.painclinical.com/symptoms/192